カラミの街保存会主催 

2025年10月5日 KARAMI STAGE  カラミの街に立つ

ご来場の皆様 ありがとうございました。

カラミ(鍰)とは

カラミとは、銅の製錬工程で副産物として生成される鉱滓(こうさい)を指します。漢字では「鍰」と書きます。

銅鉱石(黄銅鉱など)を製錬する際、石灰やけい酸を加えて溶融すると、銅分を含む溶融物とともに不要成分が分離されます。この不要成分のうち、金属をほとんど含まない部分がカラミ(鍰)です。

製錬の流れは以下の通りです。

製錬工程の概要

選鉱工程

 黄銅鉱を粉砕・選鉱し、銅分を濃縮した「銅精鉱」を得ます。

製錬(溶鉱炉工程)

 銅精鉱に硅質銅鉱、石灰石、コークス、石炭などを加えて溶融します。

 この過程で以下の生成物が得られます。

 - 硫化銅(カワ)

 - カラミ(鍰)

 - 亜硫酸ガス

転炉工程

 得られた硫化銅(別名カワ)を転炉に移し、酸素を吹き込んで酸化反応を進めることで粗銅が生成されます。

 尾小屋製錬所で生産された粗銅は約98%の高い純度を持ちますが、銅素材としての品位はまだ低いため、他地域の精錬所に送られ、電解製錬によって純度99.9%の電気銅となります。


尾小屋鉱山と亀甲カラミ

かつて尾小屋には、国内有数の大規模銅鉱山である尾小屋鉱山があり、隣接する製錬所で粗銅の生産が行われていました。

大正から昭和初期にかけて粗銅の生産量が増加すると、製錬の副産物として大量の鍰(カラミ)が生成されるようになりました。これを有効利用するために、カラミを原料としたカラミ煉瓦が製造されました。

カラミ煉瓦は尾小屋鉱山に限らず、国内の多くの銅山でも作られていましたが、それらの多くは一般的な煉瓦と同じく四角柱の形をしていました。

一方、尾小屋で生産されたカラミ煉瓦の多くは六角柱形であり、その形状が亀の甲羅に似ていることから、地元では「亀甲カラミ(きっこうカラミ)」と呼ばれています。

こうした独特の形状をしたカラミ煉瓦群は、現在も尾小屋の街並みに点在しています。近年では、尾小屋鉱山資料館のスタッフや「なつかしの尾小屋鉄道を守る会」のボランティアの活動協力により、草むらの中に埋もれていたカラミ煉瓦が次々と掘り起こされ、尾小屋特有の風情ある景観を再び形づくりつつあります。



カラミの街保存会


私たちは、尾小屋鉱山跡に残る近代化産業遺産である、カラミ煉瓦でできた擁壁や建物などのカラミ群を始めとする遺構の保存と普及を図り、交流人口を増やすことで地域の活性 化に寄与することを目的として設立された特定非営利活動法人です。

■法 人 名

 特定非営利活動法人カラミの街保存会

■法人所在地

 石川県小松市大野町

■連 絡 先

ogoya.karami@gmail.com

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